NPO(特定非営利活動法人) 朝日訴訟の会


朝日訴訟の会とは


「生存権裁判を支援する全国連絡会」が結成総会

 「生存権裁判を支援する全国連絡会」の結成総会が2007年5月19日、東京・日本青年館で開かれました。高齢者の保護基準の約2割に相当する老齢加算が廃止されたこと、母子加算の段階的廃止が開始されたことに対して8都府県100人を超える高齢者、母子家庭が提訴、「21世紀の朝日訴訟」ともいえる訴訟運動に発展しています。呼びかけ人に朝日訴訟関係者も加わり、会長に小川政亮・日本社会事業大学名誉教授を迎え、朝日訴訟弁護団の主任をつとめた新井章弁護士が記念講演しました。ワーキングプアなど保護基準以下の生活を強いる労働・社会保障政策を改めさせ、健康で文化的な生活の保障を願う諸団体、個人の多数が支援する会へ入会し始めています。
             「生存権裁判を支援する全国連絡会」結成と入会のよびかけ
 生活保護のしめつけで、全国各地で餓死・孤独死や抗議の自殺がおきています。老齢加算や母子加算の廃止などで、さらに困窮した生活を余儀なくされた人々の「生活実態の報道」は大きな反響を呼んでいます。
 2003年4月に、生活保護制度の成立以来はじめて生活保護基準が0.9%削減されました。さらに2006年には老齢加算が廃止され、2005年4月には母子加算の段階的削減・廃止が実施されました。これまでに、老齢加算と母子加算の削減・廃止に対する知事への不服申し立ては、この3年間で全国で1600件を超えています。審査請求を却下された人の中から憲法25条・生活保護違反による老齢加算と母子加算の削減・廃止取り消しを求め裁判を起こしました。私たちは、これらの生活保護基準をめぐる裁判を「生存権裁判」と呼んでいます。
 生存権裁判は2005年4月京都ではじまり、秋田、広島、新潟、福岡、東京へと広がり、兵庫や青森でも裁判への取り組みがはじまっています。
 憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、生活保護制度は「25条に規定する理念に基き」定められています。生活保護基準は、生活困窮者に対する生存権保障にとどまらず、最低賃金、年金水準、課税最低限、就学援助制度などの基準に影響し、大きな位置をしめています。ところが、政府の「2006年・骨太方針」では「現行の制度の抜本的な改革が迫られており、早急に総合的な検討に着手し、改革を実施する」とし、「生活扶助基準の見直し、母子加算の廃止をふくめた見直し、級地の見直しなどを2007年度、2008年度には確実に実施する」としています。生活保護制度は「経済給付から自立支援の制度へ」(厚労省)変質させられ、自立の名のもとで制度から追い出し、ワーキングプア(働く貧困層)を増加させる制度になろうとしています。
 国民の生活を壊しつづける国と、今ほど正面からのたたかいが必要となっているときはありません。生存権裁判は、最低限生活費(経済給付)としての生活保護制度を維持・向上させるたたかいであり、全国民的な運動として待たれています。
 国民の生存権・ナショナルミニマムの確立を目指して、全国で闘われている老齢加算や母子加算の削減・廃止、生活扶助などの生活保護基準の引き下げの取り消しを求める裁判を支援するため、全国の運動をささえる団体やさまざまな分野で活躍されている方々に「生存権裁判を支援する全国連絡会」の結成と入会をよびかけます。
 2007年4月10日
 よびかけ人(順不同) 
・ 新井 章(弁護士)
・ 朝日健二(特定非営利活動法人朝日訴訟の会 理事)
・ 小川政亮(全国老人福祉問題研究会名誉会長、日本社会事業大学名誉教授)     
・ 公文昭夫(年金実務センター)
・ 平山知子(弁護士)
・ 都留民子(県立広島大学保健福祉学部人間福祉学科教授、社会福祉学博士)
・ 渡辺 潤(全国公的扶助研究会 事務局長)
・ 中央社会保障推進協議会
・ 全日本民主医療機関連合会
・ 全国保険医団体連合会
・ 日本患者同盟
・ 日本母親大会連絡会
・ 日本高齢者運動連絡会
・ 新日本婦人の会 
・ 全国商工団体連合会
・ 全国生活保護裁判連絡会
・ 全国生活と健康を守る会連合会 
●連絡先
 全国生活と健康を守る会連合会
 〒160-0022東京都新宿区新宿5-12-15KATOビル3階
 電話03-3354-7431 FAX03-3354-7435              

朝日健二
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