第17回総会 あらため朝日訴訟の意義を確認
NPO朝日訴訟の会は2月12日、第17回総会を開催しました。今回も昨年に続いてリモートとの併用開催となりましたが、参加は、あわせて約40名でした。冒頭の則武会長のあいさつに続いて神戸大学名誉教授の二宮厚美先生が「朝日訴訟の現代的意義」と題して、講演しました。
二宮先生は、朝日訴訟の経過にふれた後、65年前に提訴された朝日訴訟の現代的意義について①欧米の社会保障が労働運動のなかで勝ち取られたのに対して、日本では憲法の力によるところが大きいが、特に憲法25条が「人間らしい生活の保障」を明確にしたものだと国民が受け取っているのは、朝日訴訟によるところが大きい、②戦後社会保障の原則として要約できる「必要充足・応能負担原則」を確立したのは朝日訴訟の思想によるものだ、③今、コロナ禍で保健所・公衆衛生の重要性が強調されているが、当時、結核対策に大きな力を発揮した保健所活動の水準を引き上げたのは朝日訴訟であり、いま、保健所の縮小・病院の統廃合を推し進めている問題点を大きくあぶりだいしているのも、その原点は朝日訴訟である、と3点を指摘し、この朝日訴訟の歴史的な意義を若い世代に語り継ぐ重要性を強調しました。
ついで、事務局から経過報告と方針案が示された後、生保裁判、年金裁判などの取り組み報告や会員拡大のためのツイッターやSNSの活用などをめぐって意見がだされました。