岡山県社保協は、5月19日から22日まで、09年春・社会保障の充実を求める全県キャラバンに取り組みました。
今回の課題は、第一に介護保険の認定方式の変更を撤回するよう国に求めること、第二に、
後期高齢者医療制度の資格証の発行をしないよう広域連合に求めること、の二点です。
各自治体との懇談では、介護保険の認定では国が経過措置を設けたことから、今のところ窓口での混乱はないが、
新しい認定方式がどのような傾向で出るか独自の検証はできていないという実態が話されました。また、後期高齢者医療制度の「資格証」
発行に関しては、今のところ発行するつもりはないとしながらも、資格証の交付に至らないよう保険料の確保に努めたい、
との回答が示されました。
参加した社保協のメンバーは、「社会保障制度は国民が安心して暮らすための大きな支え。
憲法で保障された生存権を自治体が先頭にたって守って欲しい」と訴え、
国に対して一緒になって社会保障充実を求めていってほしいと要請しました。(写真は倉敷市での要請の様子 09.5.19)
川谷宗夫
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このほど大月書店から『医学とエンゲルス――社会医学の立場から』(A5版382頁、
本体4500円)が出版された。著者はNPO法人朝日訴訟の会副会長である
松岡健一氏(医師・ソワニエ看護専門学校校長)である。5月22日、水島国際ホテル( 倉敷市)で開かれた出版祝賀会には100人を超す人が集まった。
松岡医師は、岡山県・水島協同病院の院長をながらく勤め、
現在も看護学校長の要職にある。倉敷医療生活協同組合の職員向け雑誌『搏動』に「医学とエンゲルス」と題して連載したものが好評を博し、
大月書店の中川進社長の目に触れて出版となった。
臨床医として、森永枇素ミルク中毒事件、
倉敷公害訴訟に深く関わってきた経験を踏まえ、社会医学の視点から書いた本書は、医師らしい人間性がほとばしるようであり、
飽かず熱中して読ませる社会科学入門書になっている。派遣切りされた労働者の診療、看護に携わり、
あるいは社会保障の切り捨てに疑問を持っている医療関係者に本書は特別の共感をもって迎えられるに違いない。
(朝日健二)
<主要な目次>
Ⅰ 『イギリスにおける労働者階級の状態』から学ぶ――社会医学の立場から
1 森永枇素ミルク中毒問題の理論づけ
2 本書の紹介
3 住居と健康
4 労働災害・職業病・過労死
5 公害問題
Ⅱ マルクス・エンゲルスと医師・
医学者の出会い
1 全体像と代表的人物
2 クーゲルマン(産婦人科医)への手紙から
3 ウイルヒョウ論
4 ナイチンゲール論
5 マルクスの闘病生活
Ⅲ 『自然の弁証法』、『反デューリング論』から学ぶ
1 ダーウィンの「進化論」とエンゲルスの「生命の起源」論
2 『猿が人間化するにあたっての労働の役割』から学ぶ
3 オウム真理教とエンゲルスの心霊論
4 理論的自然科学と経験的自然科学
川谷宗夫
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