「生存権裁判」で東京地裁が判決
朝日訴訟以来半世紀ぶりに生活扶助基準を争う「生存権裁判」が、全国10地裁に提訴されていますが、そのトップをきり、東京地裁が6月26日に判決を言い渡しました。高齢の生活保護受給者12人の主張は認められませんでした。
判決の主文、結論の部分は、以下のとおりです。
主文 原告らの請求をいずれも棄却する。
結論 原告らが主張するように、老齢加算の廃止によって、老齢加算減額前満額支給時との比較において、保護費全体が約2割の減額になるような場合、激変緩和の措置として、3年間をかけて段階的に廃止することとされたとはいえ、当該満額支給をされていた者にとっての実感を直視すれば、これを率直に問題視し廃止の段階をとらえて追及すること自体は、確かに無理からぬところではある。
とはいえ,以上子細に検討したところによれば、原告らの主張する点は、いずれも厚生労働大臣の裁量権の範囲の逸脱・濫用までを基礎付け得るものではなく、また、他にこれを肯定できる事情はうかがえないのであって、老齢加算を減額・廃止した保護基準の改定に違法(法違反、憲法25条違反)があったとは認められないといわざるを得ない。
そして、原告らにおいては、老齢加算の減額・廃止以外を理由とする本件各決定における給付額の変動を争うものではなく、本件各決定に固有の違法事由がある旨の主張立証はないことからすれば、本件各決定は適法であるということになる。
よって、原告らの請求はいずれも理由がないから、これらを棄却し、主文のとおり判決する。