東京の生存権裁判で最高裁が不当判決
東京の生存権裁判に対する最高裁判決が2月28日に出た。判決内容は、「ひどい」の一語に尽きる。憲法の番人でなければならない最高裁が、国民の生存権を脅かしている政府の憲法違反を正当化、みずから憲法を踏みにじったとしか言いようがない。
東京の生存権裁判は、横井邦雄さん(昭和3年生まれ)など12人の高齢者が、5年前の朝日茂さんの祥月命日に、「第二の朝日訴訟だ」と提訴した。お手本にされた朝日訴訟は、2週間前の祥月命日に、朝日茂さんのお墓に墓誌が建立され、生存権裁判を勝訴し、朝日訴訟の成果を守ろうと誓ったばかりである。まことに残念でならない。
最高裁の不当判決にかかわらず、生存権裁判は着実に成果を上げてきた。生活保護の3大加算のうち障害者加算への波及を食い止め、母子加算は完全に復活させ、老齢加算も福岡高裁(古賀寛裁判長)で勝訴した。なんということか、福岡高裁判決は、朝日訴訟東京地裁の勝訴判決から50年目、朝日茂さんの命日に出されている。障害者加算は、その廃止に着手できなかったのは、当時、障害者自立支援法に反対する大運動が行われていたことにもよるが、生存権裁判の提訴の影響も大きい。
東京の生存権裁判は、法廷内では実を結ばなかったが、あとにつづく8府県の生存権裁判をたたかい、格差と貧困に反対、憲法が保障する健康で文化的な生活が国民すべてに保障される社会をめざして頑張り続けたい。