NPO(特定非営利活動法人) 朝日訴訟の会


朝日訴訟の会とは


『障害者運動のさきがけ 有安茂と友愛会の歩み』

――朝日茂と親交、朝日訴訟の前夜に共に立つ――
朝日茂と名も同じ有安茂とわが国最初の障害者運動組織「友愛会」を描いた『障害者運動のさきがけ 有安茂と友愛会の歩み』が全国肢体障害者団体連絡協議会から同会結成35周年を記念して出版された。編纂は、松本昌介氏以下7名による。
有安茂は朝日茂の8歳年下、岡山県矢掛町の生まれ。早島町の療養所から西へ20キロ、バス停からタクシーも入れない山道を10数分かけて登ったところに住いがあったが、ここが全国の障害者の集いの場になる。
有安が軍隊上がりの教師に軍靴で蹴飛ばされたのは小学校5年の時であった。6回の手術に耐えたものの再び立ち上がることはできず、「万年床の寝たきりの人間」になる。しかし、朝日訴訟の“前夜”――MSA予算反対の患者運動が岡山から全国に広がった1954年に友愛会を立ち上げ、その運動に一生を捧げる。
有安は、在宅投票制度の復活を要求、実現するが、その間につきあった国会議員も藤原道子、江田三郎など朝日訴訟に登場する議員とほぼ同じメンバーである。立正大学の中村尚子准教授が「障害者の温室にしない」友愛会の運動論を分析しているが、朝日訴訟のそれと共通するものが多い。
障害者運動の先陣をきった有安であるが、自己の入浴が実現できたのは、軍靴で蹴られてから63年後、それも4人の「天使」によってであった。涙なくして読めない、感動の物語が続くA4判285頁の大作である。
朝日訴訟は第5章の冒頭に紙数13頁を割いて綴られている。「歴史を掘り起こすのは容易なことではなかった」と、あとがきにあるが、朝日茂と親交のあった大隅実山(岡山)、左近綾子、森田竹次(長島愛生園)、湯浅節子(奈良)、南愛子(高知)、みねたかしなどの友愛会会員が登場、朝日訴訟を語る。いずれも機関紙「友愛通信」などに載ったものを編者が丹念に拾ったものである。友愛会の会員は、「朝日茂に感謝し、その行動に励まされた」と結んでいる。

朝日健二
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