NPO(特定非営利活動法人) 朝日訴訟の会


朝日訴訟の会とは


第3回総会は来年2月10日に

NPO朝日訴訟の会は来年2月10日(日)に第3回総会を開催することで準備をすすめています。今年は朝日訴訟50周年の年でもあり、 雑誌・書籍等でも多くの特集が組まれ、朝日訴訟や憲法25条・生存権について考える大きな機会となりました。第3回総会では、 こうした流れをより確実なものにするため、いま行われようとしている生活保護の切捨ての実態を学びながら、 あらためて生存権について学びたいと考えています。記念講演の講師には北九州市立大学講師の藤藪貴治氏をお招きし、「ヤミの北九州方式」 と呼ばれる北九州市での生活保護切捨ての実態についてお話をうかがいます。

◆2008年2月10日(日)14:00~17:00    ◆岡山県立図書館  ◆記念講演・・・ 「ヤミの北九州方式の実態と背景」(藤藪貴治氏:北九州市立大学講師)

 

川谷宗夫
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一審勝訴に貢献した労研の『労働の科学』が朝日訴訟を特集

 朝日訴訟の一審勝訴に立証面から大きな貢献をした労働科学研究所が、その月刊誌『労働の科学』2007年11月号で「健康格差の解消へ」を特集。新井章弁護士(朝日訴訟の主任弁護士)の論文と私(朝日健二)の拙文を掲載しています。その前文の一部と編集雑記を紹介します。
 前文「特集の読みどころ」
…特集4は,憲法25条の生存権と生活保護法の内容について争った「朝日訴訟」(1957年)の概要とその後の社会保障政策にもたらした影響について述べます。当時と現在は社会保障予算が削減され続けているという共通点があると見て,同訴訟の今日的意義を考察します。
特集5では、近年社会保障政策の切り崩しがすすみ、深刻な格差問題が生じており、これは憲法25条の規範に反すると指摘。一方で、同25条は条文が具体性を欠くために、社会保障の施策が時の政治に左右されるといった欠点があると捉え、改正も視野に入れることを提案しています。
 「編集雑記」
 憲法25条の生存権について争った朝日訴訟の提訴(1957年)から今年で50年となります。今月号では原告の朝日茂氏の養子となり訴訟を継承された朝日健二氏,弁護団の新井章弁護士が執筆しています。
 この裁判では,労働科学研究所の藤本武博士の最低生活費の研究が証言として使われました。藤本博士は2002年に90歳でお亡くなりになり,その膨大な蔵書は現在「藤本文庫」として当研究所の図書館に所蔵されています。その数は整理済みのものだけでも8,000冊を超えており,分野も経済学を中心とした社会科学にとどまらず多岐にわたっています。驚くことに,ほとんど全部に目を通しておられ,書き込みも多く残っています。論文執筆や調査にも精力的に取り組みながら,時間をどうやりくりしていたのだろう――と思いを馳せています。
労働科学研究所出版部
 TEL044-977-2121  FAX044-976-8190
ホームページhttp://www.isl.or.jp

朝日健二
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朝日訴訟一審判決を引用し、保護基準引き下げ反対の国会質問

 わが国の公的扶助史上初めて、生活扶助基準本体の引き下げが行われようとしていますが、2007年12月12日の衆議院厚生労働委員会で朝日訴訟を引用した質疑が行われました。高橋千鶴子議員(共産)が質問しました。
 高橋議員は、 厚生労働省がその答弁の中で朝日訴訟を引用したことに対し、「朝日訴訟は、結核患者だった朝日茂さんが、お兄さんからの仕送りを国庫へ取り上げられたことに端を発し、憲法25条そのものを問いただした闘いとして、人間裁判、人権裁判として今に生きている裁判であります。ここでの教訓は.人は単にかろうじて生物としての生存を維持できる程度のものであろうはずはないということを言っていること。あるいは、最低限度の生活水準を判定するに当たって注意すべきことは、現に最低所得層、例えば低賃金の日雇い労働者や零細農漁業者、いわゆるボーダーラインにある人々が現に維持している生活水準をもって直ちに健康で文化的な生活水準に当たると解してはならないということ。このように低い人と比べて、それでいいのだと言ってはならないということを指摘し、予算の有無によって決定されるものではないとしています。このような教訓を生かしているのでしょうか」と大臣に迫りました。
舛添厚生労働大臣は「政府・与党内できちんと議論をした上で結論を出したい。そういう過程におきましても、高橋委員のご意見も大変貴重な意見として賜った上で、そういう意見も国会の中にあるんだ。それを念頭に置いた上で対応してまいりたい」と答弁。
 高橋議員は、「勤労する方々にとっても生活扶助基準が重要だということを示したのが朝日訴訟判決だった。一九六二年の社会保障制度審議会の勧告にも反映をさせた。そこをしっかり受けとめていただきたい」と念を押しました。

朝日健二
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今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします

NPO朝日訴訟の会も会員の皆様に支えられて、来年は3年目を迎えることになります。設立当初の目標からいうと、 すでに資料整理も大半が終わり、朝日訴訟の意義を全国に広げる啓蒙活動を行うセンターとしての役割を果たさなければならない時期です。 ずいぶんと遅れていることをお詫びしながらも、来年こそ、国民の声が政治を動かす本格的な年になるように、 そして憲法25条の生存権が保障される年になるよう全力を尽くしたいと決意しているところです。いっそうの皆様のご支援・ ご協力をお願いして、今年一年の御礼といたします。来年もよろしくお願いします。

川谷宗夫
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