NPO(特定非営利活動法人) 朝日訴訟の会


朝日訴訟の会とは


後期高齢者医療制度で不服審査

 不服審査③  

 「後期高齢者医療制度は保険料の賦課及び医療の制限という点で憲法25条の『生存権』保障に反する」 という理由を付けて、岡山県社保協(会長・岩間一雄岡大名誉教授)は10月7日、 後期高齢者医療制度に対する集団不服審査を行ないました。

 社保協や年金者組合の代表ら7名が、岡山県長寿社会対策課(審査会事務局)を訪れ、 7日までに寄せられた18名分の審査請求書を提出しました。

参加した1人である笠本文子さん(84歳)は 「75歳という年齢で線引きされ後期高齢者医療制度に強制的に加入させられた。保険料も何回も修正通知がきて訳がわからない。 もうこんな制度は止めてもらいたくて審査請求をしました」とのべました。

10月15日には全国で新たに625万人の高齢者からも保険料が天引きされることになり、一段と国民・ 高齢者の怒りが高まることが予想されます。県社保協はこうした声を集め、第2弾の不服審査請求を行なうことにしています。

この不服審査請求の様子は10社を超えるマスコミが取材し、テレビ・ラジオで流されました。  

 

川谷宗夫
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明日10月12日は介護ウェーブ

 明日10月12日、県社保協は「安心・安全の介護」を、テーマに介護ウェーブ集会を開催します。午前9時半から12時半まで、 岡山市内にある県総合福祉会館(岡山市石関町)で。集会のあと、デモ行進や介護保険の改善を求める署名・宣伝行動が予定されています。

 介護ウェーブ集会は、「安心して老後をおくりたい」「もっと心のこもった介護がしたい」・・・ こんな願いを実現するために介護現場で働く労働者や事業者、そして利用者が共同して集会を成功させようと計画されたもの。 来年の介護報酬の改定時期にむけ大幅な引き上げを迫ると同時に今年5月に成立した「介護の人材確保法」を実効あるものにさせるために、今、 「介護保険制度の充実を」の世論を大きく盛り上げなければなりません。明日は、 記念講演の講師にヘルパー全国連絡会副代表の三輪道子さんをお招きして学習もすることにしています。一般の方の参加も大いに歓迎です。 お越しください。

川谷宗夫
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介護ウェーブに220人

 介護ウェーブ② 介護ウェーブ①

 10月12日、県社保協は「安全・安心の介護の実現を」をスローガンにかかげ「介護ウェーブ県民集会」 を開催しました。これには、現場の介護士さんら220人が集まり、来年春の介護保険制度の見直しにむけて 「介護報酬の大幅な引き上げを」「介護サービスを制限せず、抜本的な見直しを」の声を全国に広げていくことにしました。  

 介護ウェーブ集会では、 まず京都の三輪道子さん(ヘルパー全国連絡会副代表)が記念講演。三輪さんは、この中で06年の介護保険制度の改悪で「細切れ援助、 駆け足援助」を強いられることになったこと、ヘルパーが劣悪な労働条件に置かれているため離職が多く、人員の確保が困難なこと、 そのため必要なサービスまで断らざるを得なくなっていることなど、介護現場の現状を述べ、 来年予定されている介護報酬の大幅な引き上げが必要であること、その上で、 労使の話し合いでヘルパーなどの賃上げを行なうことがとても重要であることを強調しました。また、 厚労省が狙っている介護保険制度の見直しについても触れ、「介護報酬を引き上げるといっているものの、それは軽度者を切り捨て、 その分を回すだけであり、パイの大きさは変わらない、これからの運動で抜本的な引き上げを求めていきましょう」と訴えました。そして最後に 「人生最期の“輝く時”を支えるのが介護労働者の仕事、この働きがいを奪わないよう政府に求めていきましょう」と締めくくりました。

 集会はこの後、 パフォーマンスや事業者、労働者、利用者の立場からそれぞれ問題点や運動の決意が述べられ、最後にアピールを採択して閉会しました。

 

川谷宗夫
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高齢者が生存権をかけていっせいに「一揆」

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1016日、岡山県内各地から幅広い団体・個人など150名が石山公園( 岡山市石関町)に結集して、「年金者一揆」(主催: 年金者組合岡山県本部、共催:岡山県労会議、岡山県社会保障推進協議会)が行われました。消えた年金、 消された年金など年金制度のあり方が問われる中、今年の4月からは高齢者差別医療と問題になっている後期高齢者医療制度が発足し、 高齢者は一層の生活不安に陥っています。前日には4回目となる後期高齢者保険料の年金天引きが強行され、 「後期高齢者医療は国家的詐欺行為だ」「保険料が生活を圧迫している。もう我慢の限界だ」 など各団体の代表からは怒りと不安の声が次々にあがりました。財源を消費税に頼らない最低保障年金制度の創設、 後期高齢者医療制度の廃止、社会保障の拡充などを求める集会アピールが拍手で採択され、その後県庁までデモ行進しました。 「最低保障年金制度を作ろう」「消費税増税反対」「憲法9条を守れ」など元気いっぱいのシュプレヒコールに、沿道からは高校生が 「がんばれ~」と大きく手を振ってこたえていました。

川谷宗夫
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「後期高齢者医療制度の廃止」訴え終日宣伝

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 10月15日には 、新たに430万人の高齢者から後期高齢者医療制度の保険料の年金天引きが行われました。 岡山市社保協は2日後の10月17日、岡山市役所入り口で抗議や問いあわせに来庁した市民を対象に「後期高齢者医療制度は直ちに廃止を」 と朝10時から午後4時まで終日マラソン宣伝をおこないました(写真)。市社保協加盟団体から要員が交替で参加し、ハンドマイクで 「後期高齢者医療制度の廃止と」を訴えながら、署名をお願いし、この一日で276筆の署名が寄せられました。 「これまで扶養に入っていて保険料がいらなかったのに・・」などと、怒りをあらわに署名に応じてくれる高齢者の姿もみられました。

川谷宗夫
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高齢者単身の最低生計費は105,700円、生活保護はこれを3割下回る

首都圏の高齢単身世帯に保障されるべき生活保護費相当の生計費は105,800円(住居費を含め157,800円)で、現行の生活扶助基準はこれを約3割下回っている―― 金澤誠一・仏教大教授の指導・監修の下に首都圏4地方労連が生計費調査を行い、試算した。20081011日、東京・亀戸で開催された「東京生存権裁判学習決起集会」で伊藤圭一・ 全労連調査局長が報告した。

生計費調査は高齢単身世帯モデルとして、東京・ 練馬区在住の75歳の女性を想定。基本的な健康・生命を維持するための「生活の質」 を確保する考え方で行われた。

生計費の算定はマーケットバスケット方式(全物量積み上げ方式)を採用。生活様式、 慣習、社会活動を、「持ち物財調査」や「生活実態調査」「価格調査」で把握した。例えば、家具、身の回り用品などは「持ち物財調査」 に基づき、原則7割以上の保有率のものを積み上げて算定した。購入先は生活実態調査に基づき下着類は大型スーパー、 電化製品は大型電気店を想定して「価格調査」を実施。外出用品目は「人前に出て恥をかかないように」標準価格とし、 それ以外は最低価格で計算している。

 調査結果から推計した最低生計費は月額180,990円、税込みで206,189円、年額2,474,268円となった。これから税金、社会保険料、NHK受信料、 医療扶助相当額を差し引いた生活保護費相当月額は157,814円。これから住居費52,083円を除く生活扶助基準相当額は105,731円となった。

一方、 生活保護費は130,322円、住宅扶助特別基準53,700円を除くと76,622円で最低生計費の72.5%、廃止された老齢加算17,930円が全額加算されたとしても94,552円で、最低生計費に満たないという結果になった。

伊藤さんは、 「あってはならない貧困」があるのに、生活保護をそれにあわせて引き下げる。 保護を受けるべき人が受けられない漏給の手落ちを反省するどころか、「貧困の連鎖的拡大」が進められようとしていると指摘。 「老齢加算の廃止は行ってはならない。貧困の広がりを理由に、生活の質・中身を見ずに生活保護を改悪することを許してはならない」 とまとめた。

 

朝日健二
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100日キャラバンを向かえて「世直しイッキ!大集会」

2008年10月19日、朝日訴訟一審勝訴判決48年目になるこの日、東西それぞれ100日に及ぶ「反-貧困全国2008キャラバン」が東京・明治公園に集結、「世直しイッキ!大集会」を開いた。インターネットの呼びかけを見て来たという東京の開業医(女性)、介護労働者の貧困問題をテーマにした博士論文に挑戦しているという金沢の大学教員など、さまざまの層から約2000人が参加した。それぞれの思いを伝えるために配られたビラも数十種類になった。
「第二の朝日訴訟」といわれる生存権裁判を支援する会のメンバーも20数人が参加して署名を訴えた。東京の原告・横井邦雄さん(79歳)は、「社会保障」のグループ討論に参加し、生活と健康を守る会のはげましがあって裁判に立ち上がれた自らの経験から、「個人ではたたかえない。いずれかの組織に参加して生活を守ってください」と呼びかけた。このグループ討論の「まとめ」をした尾藤廣喜弁護士は、「日本の生活保護の捕捉率は15~20%と低いが、これを100%にしよう」と呼びかけた。最後に杉村宏・法政大学教授が、「日米構造協議とその後の規制緩和が日本国民をバラバラにして対立させてきた。垣根を越え大きくつながろう」と訴えた。

朝日健二
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